2015年3月15日日曜日

高島平新聞に掲載された存続を求める会の意見広告

板橋区の高島平の地域情報紙である高島平新聞の2015年3月15日号に、板橋区ホタル生態環境館の存続を求める会の意見広告が掲載されました。

高島平新聞の電子版はインターネットから誰でも見ることができます(便利です!)。


この意見広告は、13ページの左下に掲載されています。たいへんコンパクトに論旨がまとまっていますので、以下に全文を引用します。このグループが提出した抗議文は、「ホタル館の存続を求める会が区に抗議する文書を板橋区に提出」に載せてあります。是非あわせてお読みください。


-板橋区ホタル館廃止に抗議します- [意見広告]
私たち住民のグループは、「ホタル館の存続を求める陳情」と、区が行った生息調査に疑問を持って「再調査を求める陳情」とを区に提出し、区議会を傍聴し住民説明会に出席して見守ってきました。区議会環境委員会は陳情を継続審議としています。しかし区は議会や区民を無視して、昨年5月に1年前倒しで27年3月末の廃止を決定し、今年1月20日に「報告書」を出し、26日には早くもせせらぎの水を抜き、3月末の廃止を着々と進めています。「報告書」では「生息調査で幼虫が推定23匹と少ない、DNA鑑定の結果関西系のホタルだった、累代飼育はされてく元委託業者が成虫を持ち込んだ」と結論付けています。しかし私たちはこの報告を信じることができません。昨夏には211匹のホタルが飛翔し、羽化率を考えると幼虫は3~4千匹いたはず。DNA鑑定は第三者を入れないで行われ、持ち込み疑惑は推測のみで確かな証拠を示していません。懲戒解雇処分の元区職員と解約された元委託業者は区を提訴して東京地裁で争っています。区の財産であるホタルの特許を捨て、年間3万人が訪れてホタルの乱舞に癒やされた施設を、なぜこんなに拙速に廃止するのかどうしても理解できません。私たちは、区に対して説明責任と管理責任を求め、ホタル館の廃止に抗議して抗議文を提出しました。
板橋区ホタル生態環境館の存続を求める会

以上

2015年3月9日月曜日

クロマルハナバチが結ぶ能登町との縁

ホタル生態環境館はゲンジボタルの累代飼育で有名でしたが、もう一つ「クロマルハナバチ」という日本の在来種のハチの飼育技術でも有名でした。


ハチというと、すぐにミツバチと木にぶら下がった蜂の巣を思い浮かべるのですが、クロマルハナバチの生態は少し違っています。土の中に巣を作るのです。マルハナバチ国勢調査のページから説明文を引用します。
●マルハナバチの1年
マルハナバチはミツバチと同じ社会性の昆虫で、巣(コロニー)を作り、1頭の女王バチと、彼女から生まれたたくさんの働きバチ、繁殖期にだけ生まれてくる雄バチからなる家族で生活します。ミツバチと違い、女王バチの寿命は1年で、毎年新しい女王バチが新しいコロニーを作ります。  長い冬を土の中で越した女王バチは、春、冬眠から目覚め、新しいコロニーを作る場所を探します。巣を作る場所として、主にネズミの古巣など、土の中にあけられた穴を利用します。巣を作る場所を決めた女王ばちは、自身が分泌するロウと花粉を混ぜ合わせて育房(幼虫が育つ部屋)を作り、花から集めてきた花粉と蜜を混ぜ合わせて詰め、そこに産卵します。この卵が孵化し、成虫となるまでの間、女王バチは育児に大忙しです。子供たちのために餌を集め、巣にいる間は育房を抱いて暖めます。最初の働きバチが生まれると、女王バチはようやく産卵に専念できるようになります。働きバチの数が増えてくると、外に出て餌を集めるものと、巣の中にいて育児や巣の管理を担当するものとの分業化がすすみ、コロニーもだいぶ落ち着いてきます。種類によっては、最盛期には働きバチが数百頭を数える大きなコロニーに発達することもあります。
このマルハナバチの飼育に乗り出そうと考えたのが能登町です。「広報のと No.52 2009.6」には、その目的と経緯が大々的に特集されています。


この広報誌の中には以下のように記されています(赤字は引用者による)。
ふれあい公社が技術習得
この情報を入手した能登町はすぐに事業化を検討。技術習得を㈶能登町ふれあい公社に託した。公社はエンデバーファンド21の助成を受け、職員一人を07年4月から板橋区ホタル飼育施設へ派遣。10月にはもう一人を追加派遣し、二人の公社職員が1年間、クロマルの飼育・増殖研修を受けた
「研修を受け、農業の分野でこれだけハチが利用されているという事実が分かった。農業の未来のためにも何とかしなければと感じていた」とクロマルハナバチ試験飼育生産施設(以下施設)の中山幸永副所長は、研修期間を振り返る。
能登町と板橋区の協力関係の上にこの事業がスタートしたのです。
能登町の持木一茂町長と板橋区の坂本健区長が在来種クロマルハナバチの飼育協力を約束し、固い握手を交わしているという写真を以下に引用します。下の写真では、板橋区役所が作成した持木町長のネームプレートが薄く写っています。自治体同士が協力して、意義のある新事業に乗り出そうとしていた様子が伺えますね。




以上

2015年3月8日日曜日

写真:飛翔しているゲンジボタル成虫

これも良くこんな写真が撮れたものだと感心します。飛んでいる時にこんな姿をしているとは、この写真を見るまで知りませんでした。縦の姿勢になって発光器を下に向け、下にいるメスにアピールするそうです。

以上

写真:ゲンジボタルの産卵ケース

ホタル生態環境館の飼育棟においてあったゲンジボタルの産卵ケースの写真です。

以上

動画:初めて地上に出てくるゲンジボタル成虫

ホタル幼虫は土の中で蛹になり、成虫になって地上に出てきます。この動画はその時をとらえたものです。良くこんな映像が撮れたものだと感心します。

以上

動画:光を発しながら上陸するゲンジボタル幼虫

ホタル幼虫は1年近くを水の中で過ごし、翌年の夏前くらいに上陸して蛹になり、羽化します。この動画は上陸の様子をとらえたものです。小さい光を発しているのが分かります。


以上

写真:ゲンジボタルの光跡

板橋区ホタル生態環境館の館長であった阿部宣男博士がFacebookにホタルの珍しい写真を投稿されていたので、ここでも時々紹介させていただきます。


以上