2015年5月24日日曜日

データ分析: 自然教育研究センターのせせらぎ温度計測時刻の分布

資料: 自然教育研究センターの管理日誌(2014年2月~9月)」に自然教育研究センターの管理日誌を資料として示しました。

今回は、管理していたホタル生態環境館のせせらぎの温度計測が行われた時刻に着目してみました。
2014年2月8日から9月30日まで合計235日間の測定結果が載っているので、そこから「せせらぎ水路 測定時間」の項目に注目して、1時間毎の分布を調べた結果が下表です。

この時刻以降この時刻以前回数割合
8:009:0031.3%
9:0010:005121.7%
10:0011:00239.8%
11:0012:00208.5%
12:0013:0052.1%
13:0014:005021.3%
14:0015:003414.5%
15:0016:002711.5%
16:0017:00229.4%
17:0018:0000.0%

驚いたことに、せせらぎの温度を計測している時刻がバラバラなのです。9~10時の間が最も多くて51回ありますが、真昼の13~14時の間も50回あります。

環境の温度などの測定をする際には、毎日決まった時刻に行わないと意味がないと小学校か中学校で習った覚えがあります。温度を測る時の時刻を揃えるのは当然だと思ってきました。しかし、自然教育研究センターの管理では、そうではなかったようです。

なお、分布を求める際には、元の管理日誌をOCRでデータ化して集計を行いました。一応、目視でチェックもしましたが、もしかするとデータの誤りがあるかもしれません。もし、何かおかしな点に気が付かれましたら、コメント欄などで教えていただければ幸いです。

以上

松崎いたる区議がホタルの生息密度が高すぎる論拠にしていた数字をこっそり修正

松崎いたる区議は、ホタル生態環境館での飼育密度が高すぎると主張されており、その論拠として、幼虫一匹あたりの川底の面積が小さすぎるという点を挙げていました。
具体的には、ブログにて以下のように主張されていました。
ホタル館のせせらぎは、湿地帯5.4㎡(1.8m×3.0m)と流れの部分19.5㎡(15m×1.3m)から成り、川表面積は、249,000㎠(54,000㎠+195,000㎠)=24.9㎡です。
 さなぎになるため上陸する寸前までこのせせらぎの中で過ごすのですが、2万匹の終齢幼虫(体長は約2センチ)がせせらぎの中にいるとすると1㎡あたり803匹以上という高密度になります。逆に1匹あたりの面積は1.24㎠しかありません
実は、この最後の計算は間違ってました。
24.9m2 ÷ 2万匹 = 12.4cm2
になる筈で、松崎いたる区議の計算は、これを1桁小さく算出していたのです。

この間違いは論拠を崩しかねない重大なものですから、ツイッターにて指摘したところ、いつの間にか、特に説明もなく、ブログの記事が12.4cm2に修正されていました。公人としては、公式見解にも等しい記事の修正の際には説明責任を果たされるべきではないかと思います。

2015年5月24日昼ごろまでの記述: 1.24cm2 となっていました。


2015年5月24日18時の記述: 12.4cm2 に修正されています。


以上

2015年5月17日日曜日

資料: 自然教育研究センターに対する委託契約

2014年1月27日の生息数調査のあと、阿部宣男博士はホタル飼育業務から外され、それまで飼育業務を発注されていた「むし企画」もいきなり契約解除されました。その後の飼育業務を引き継いだのは、生息数調査を行ったのと同じ自然教育研究センターでした。

板橋区と自然教育研究センターとの間の委託契約書関連を情報公開請求された方から文書をいただきました。重要な資料だと思います。

2014年2月1日~3月31日の期間の委託契約書と業者選定理由書




2014年4月1日~2015年3月31日の期間の委託契約書



以上

資料: 自然教育研究センターの管理日誌(2014年2月~9月)

ルシオラ社のWebサイトに、板橋区に情報公開請求して取得した自然教育研究センターの管理日誌(2014年2月~9月)が掲載されました。

2014年1月27日の生息数調査のあと、阿部宣男博士はホタル飼育業務から外され、それまで飼育業務を発注されていた「むし企画」もいきなり契約解除されました。その後の飼育業務を引き継いだのは、生息数調査を行ったのと同じ自然教育研究センターでした。この自然教育研究センターの飼育状況を知る上で重要な資料です。

Webページに埋め込みできる方が見やすいので、以下のように転載させていただきました。





以上

写真: 2013年5月17日のゲンジボタル初羽化

阿部宣男博士の投稿から写真だけを載せさせていただきます。
板橋区ホタル生態環境館の内せせらぎで、2013年5月17日20時10分ごろに撮影されたゲンジボタルの初羽化の写真です。オスだったそうです。この時期になると、毎夜毎夜、目を凝らしてホタルの上陸や羽化を観察していたのだそうです。


以上

2015年5月6日水曜日

むし企画との契約解除の理由について

2014年1月27日の生息数調査の前までは、ホタル飼育業務の委託先は「むし企画」でした。しかし、生息数調査の後、1月末をもって板橋区が契約を解除しました。むし企画は、この契約解除を不服として板橋区を提訴しており、裁判は今も継続中です。

まずは経緯を振り返っておきます。
2014-01-27
板橋区による抜き打ちのホタル生息数調査。元館長への事前連絡一切なし。
作業委託先は(株)自然教育研究センター。資源環境部長と環境課長が立会い。
調査の結果、見つかったのはゲンジボタル2匹、ヘイケボタル0匹。全体として23匹と推定。 
2014-01-30
夕方、元館長に対し課内異動が発令され、館長職を解かれる。
更に、元館長に対し「三日以内に立ち退くように」と業務命令が出される。
業務委託されていた『むし企画』に対し、板橋区から電話にて2月1日にて契約解除すると通告。内容証明付き郵便にて契約解除通知が発送される。(元の契約期間は2014年3月31日までであった) 
2014-02-01
「むし企画」との契約が解除され、新たに「(株)自然教育研究センター」への契約がスタート。
いきなり契約解除とは穏やかではない方法ですが、いったいこの理由は何だったのでしょうか?

2014年10月28日の決算調査特別委員会での総務部長の答弁では、「本契約の履行状況」と「むし企画の実態に関するむし企画の代表者の話」が代表例として挙げられています。
2014.10.28 : 平成26年 決算調査特別委員会 本文
◯総務部長
 契約行為として問題があるんではないかというご質問でございますけれども、ホタル生態環境館に係る本業務委託契約につきましては、これまでむし企画が蛍の飼育に係る業務について、蛍に係る飼育技術や飼育実積から契約の相手方として最適であると判断し、随意契約を行ってきたものでございます。
 このたび、本契約の履行状況やむし企画の実態に関するむし企画の代表者の話等から、今後、契約履行は不可能と判断し、契約の解除を行ったものでございます。
この同じ問題について、その8ヶ月前に行われた区民環境委員会で環境課長が2回答弁しています。1回目の答弁では、当然答えられるべき質問に答えられなかったという理由と、仕事ができていない(幼虫がいない)という2点を理由に挙げています。この2つは、順番は違いますが、上記の総務部長の答弁と同じ内容と思われます。
ところが、2回目の答弁で、仕事ができていなかったという方の理由を撤回しているのです。総務部長の言う「本契約の履行状況」は理由ではなかったと解釈できるでしょう。
2014.02.19 : 平成26年 区民環境委員会 本文 
◯環境課長
 資料については、後ほど提出させていただきます。
 あと、むし企画の解除に関しましては、約款の中で11条に、甲は区ですね、乙は代表者になると思うんですけど、次の各号の1に該当する場合は、その契約を解除することができると。この場合において、第1号の規定により契約を解除するときは、何ら催告を要しない。要するに即刻解除できるという規定がありまして、その即刻解除できるところに、契約を履行しないとき、または履行する見込みがないと甲が認めたときという、その部分を使ったものでございまして、その部分につきましては、先ほど申し上げましたが、ヒアリングの中で受託者であれば、当然のように答えることができるようなことを、私どもの質問に答えることができておりません
 それと、もう1点は、受託者として適正に仕事をしていたのであれば、せせらぎの中に幼虫がたくさんいるはずです。ところが、幼虫もいないということであれば、仕事ができていないと私どもは判断したものでございまして、それについては、課から契約管財課に文書を出して、契約管財課からそういった通知が行ったと認識しております。 
◯環境課長
 申しわけございませんでした。2点ほどございます。
 まず、1点、むし企画の契約解除の部分について、今回の検査結果を参考にしてというような説明をいたしましたが、それは内部的な意思決定と前後していまして、むし企画の契約解除につきましては、本人にヒアリングしたところ、業務については全て担当者の指示に従っており、どんな職員が仕事をしているかとか、仕事の内容については、私はわかりませんというような趣旨がありましたので、今回の1月末の時期に契約解除したものでございます。そのように訂正させていただきます。
 2点目でございます。解除に当たって、電話の内容でございましたが、電話の内容につきまして、1点つけ加えさせていただきますと、まず「契約解除ですよ」と電話でお知らせしたところ、「わかりました」と。その後、「従業員とかいるけど、大丈夫なのか」というような趣旨の質問をしたところ、「構わない」というような回答があったと聞いております。
 以上でございます。申しわけございませんでした。
板橋区から、上記のような矛盾する見解が答弁されているのですが、正しい見解はどちらなのでしょうか?

以上

2015年5月3日日曜日

写真:2004年の小池環境大臣の視察

小池環境大臣(当時)が、2004年6月15日にホタル生態環境館を視察した時の写真とのことです。ホタル生態環境館の中の飼育室内で撮影されたものです。
当時のホタル生態環境館の主管課はエコポリスセンターで、その所長であった山崎智通氏(写真左)が、熱心に大臣に説明している様子が伺えます。「板橋区のホタルは確実に累代飼育していて、特許も出願した」と説明されていたそうです。その山崎智通氏は、現在のホタル生態環境館の主管課である資源環境部の部長として、2014年1月の生息数調査を指揮したと思われます。なぜ見解が変わってしまったのか、気になりますね。






以上