2015年3月9日月曜日

クロマルハナバチが結ぶ能登町との縁

ホタル生態環境館はゲンジボタルの累代飼育で有名でしたが、もう一つ「クロマルハナバチ」という日本の在来種のハチの飼育技術でも有名でした。


ハチというと、すぐにミツバチと木にぶら下がった蜂の巣を思い浮かべるのですが、クロマルハナバチの生態は少し違っています。土の中に巣を作るのです。マルハナバチ国勢調査のページから説明文を引用します。
●マルハナバチの1年
マルハナバチはミツバチと同じ社会性の昆虫で、巣(コロニー)を作り、1頭の女王バチと、彼女から生まれたたくさんの働きバチ、繁殖期にだけ生まれてくる雄バチからなる家族で生活します。ミツバチと違い、女王バチの寿命は1年で、毎年新しい女王バチが新しいコロニーを作ります。  長い冬を土の中で越した女王バチは、春、冬眠から目覚め、新しいコロニーを作る場所を探します。巣を作る場所として、主にネズミの古巣など、土の中にあけられた穴を利用します。巣を作る場所を決めた女王ばちは、自身が分泌するロウと花粉を混ぜ合わせて育房(幼虫が育つ部屋)を作り、花から集めてきた花粉と蜜を混ぜ合わせて詰め、そこに産卵します。この卵が孵化し、成虫となるまでの間、女王バチは育児に大忙しです。子供たちのために餌を集め、巣にいる間は育房を抱いて暖めます。最初の働きバチが生まれると、女王バチはようやく産卵に専念できるようになります。働きバチの数が増えてくると、外に出て餌を集めるものと、巣の中にいて育児や巣の管理を担当するものとの分業化がすすみ、コロニーもだいぶ落ち着いてきます。種類によっては、最盛期には働きバチが数百頭を数える大きなコロニーに発達することもあります。
このマルハナバチの飼育に乗り出そうと考えたのが能登町です。「広報のと No.52 2009.6」には、その目的と経緯が大々的に特集されています。


この広報誌の中には以下のように記されています(赤字は引用者による)。
ふれあい公社が技術習得
この情報を入手した能登町はすぐに事業化を検討。技術習得を㈶能登町ふれあい公社に託した。公社はエンデバーファンド21の助成を受け、職員一人を07年4月から板橋区ホタル飼育施設へ派遣。10月にはもう一人を追加派遣し、二人の公社職員が1年間、クロマルの飼育・増殖研修を受けた
「研修を受け、農業の分野でこれだけハチが利用されているという事実が分かった。農業の未来のためにも何とかしなければと感じていた」とクロマルハナバチ試験飼育生産施設(以下施設)の中山幸永副所長は、研修期間を振り返る。
能登町と板橋区の協力関係の上にこの事業がスタートしたのです。
能登町の持木一茂町長と板橋区の坂本健区長が在来種クロマルハナバチの飼育協力を約束し、固い握手を交わしているという写真を以下に引用します。下の写真では、板橋区役所が作成した持木町長のネームプレートが薄く写っています。自治体同士が協力して、意義のある新事業に乗り出そうとしていた様子が伺えますね。




以上

0 件のコメント:

コメントを投稿