2014年9月16日火曜日

板橋区の防犯カメラ運用基準

2014年1月末に実施された板橋区のホタル生息数調査の際、4台の監視カメラが新たに設置されたという話を聞いていました。どういう理由で急に防犯カメラを設置したのか不可解で、未だにその謎は謎のままです。

昨日、知人から「防犯カメラ運用基準」があると聞いて、検索してみたら、立派な運用基準が定められていた事を知りました。


上記のページから、「板橋区防犯カメラ運用基準」というPDF文書がリンクされています。
この中に以下のように規定されています(赤字・太字は引用者による)。
(防犯カメラ管理責任者等)
第3条 公共施設における防犯カメラの適正な設置、運用及び維持管理を図るため、防犯カメラを設置する各公共施設に、防犯カメラ管理責任者(以下「管理責任者」という。)を置くものとし、東京都板橋区個人情報保護条例(以下「条例」という。)第12条に規定する個人情報保護管理責任者をもって充てる。 
2 前項の管理責任者を補佐するために、防犯カメラ管理取扱者(以下「管理取扱者」という。)を置くものとし、東京都板橋区個人情報保護条例施行規則第5条に規定する個人情報保護事務取扱者をもって充てる。ただし、管理責任者が自ら管理取扱者となる公共施設については、この限りでない。 
(防犯カメラの設置に係る措置)
第4条 管理責任者及び管理取扱者(以下「管理責任者等」という。)は、防犯カメラを設置するに際して、次の措置を講じなければならない。 
(1) 区民等の権利保護を図るために、防犯カメラの撮影対象区域を設置目的の達成に必要最小限の範囲となるように調整すること。 
(2) 防犯カメラ撮影対象区域の見やすい場所に、管理責任者等の氏名及び防犯カメラを設置している旨を表示すること。 
(3) 映像表示機器及び録画機材の設置場所については、管理責任者等の許可を得たもの以外の立ち入りを禁止する等の措置を講じ、映像の外部漏えい等を防止すること。
上記の規定から、区の防犯カメラには、必ず「管理責任者等」の氏名が掲示されている筈です。したがって、疑問があれば、その人に尋ねれば良さそうです。
読者のみなさんも板橋区の施設で防犯カメラを見つけたら、「管理責任者等」をチェックしてみてください。

以上

ホタルの数は時期によって大きく変わる

Nスタで取り上げられたホタル生態環境館の廃止問題」の中で、ホタル生態環境館にいたホタル成虫の数が約2万匹と報告されていたという話が出てきました。
今後もホタルの生息数は大きなポイントとなるので、少し整理しておきたいと思います。

まず、ホタルの数は、どの時期のホタルを数えるかで大きく変わります。
ホタルは、幼虫の間に5~6回の脱皮をし、蛹を経て成虫へと羽化します。成長するに従い、体は大きくなりますが、弱い個体は死んで数はどんどん少なくなって行きます。そのため、卵の時が最も数が多く、成虫の時が最も数が少ないのです。

1匹のメスの産卵数は、ゲンジボタルで500~1000個、ヘイケボタルで50~100個と言われています。また、成虫のメスとオスの比率は1:3程度らしいです。そのため、数だけでみると、ゲンジボタルの場合、平均750個を産卵すると仮定して4匹の成虫(メス1+オス3)が750個の卵になります。ヘイケボタルの場合、平均75個を産卵すると仮定して4匹が75個の卵になります。

繰り返し同じ数のホタルが育ち、死んでいくサイクルが繰り返されていると仮定すると、卵から成虫に育つ率はそれぞれ以下のようになります。

  • ゲンジボタル: 750個の卵 ⇒ 4匹の成虫が育つ(約0.5%)
  • ヘイケボタル: 75個の卵 ⇒ 4匹の成虫が育つ(約5%)

いやはや、たいへんな競争率です。ちなみに、卵から孵化した直後の幼虫は体長約1mmで、沢山いてもたいした量にはならないそうです。以下にルシオラ社のサイトにあった孵化幼虫の写真を引用させていただきます。


さて、ホタル生態環境館にいた2万匹の成虫のゲンジボタル/ヘイケボタルの内訳はうろ覚えですが、ゲンジボタルの方がかなり数が少ないそうなので、以下だと考えてみます。

  • ゲンジボタル: 4,000匹の成虫 ⇒ 75万個の卵
  • ヘイケボタル: 16,000匹の成虫 ⇒ 30万個の卵

これだと、合計で約105万個の卵が産まれていた事になります。上記の計算には色々と不確かな仮定が入っているために、細かい計算は違っているかもしれませんが、大雑把には上記のような数の減少を辿ると考えています。

つまり、100万個から2万匹へ、数としては約50分の1に減少しながら育って行くのです。人間で言うと、小学校のクラスにいた50人くらいのうち、1人しか成人できない計算になります。なんと厳しい淘汰でしょうか。

以上

2014年9月15日月曜日

ホタル生態環境館に起こった事件の経緯(随時更新予定)

板橋区によるホタル生態環境館の廃止決定に至る経緯を時系列でまとめてみます。
色々足りない部分があるので、随時補っていきたいと思います。また、間違いがありましたら、コメント欄などでご指摘いただけると幸甚です。
★印をつけたのは今回の事件の中核となるホタル生息調査が行われた日です。

2013-11-28

市民団体が陳情第94号「板橋区ホタル生態環境館の存続を求める陳情」を提出。

2013-12-03

板橋区議会、平成25年度定例会にて陳情を審議。全会派一致で「継続審議」となる。

2013-12-15

高島平新聞 『存続求め住民らが陳情』

2014-01-16

ある政党から「陳情の内容を一部訂正すべき」との意見があり、『板橋区ホタル生態環境館存続を求める陳情書』を一旦取り下げる。

2014-01-27 ★

板橋区による抜き打ちのホタル生息数調査。元館長への事前連絡一切なし。
作業委託先は(株)自然教育研究センター。資源環境部長と環境課長が立会い。
調査の結果、見つかったのはゲンジボタル2匹、ヘイケボタル0匹。全体として23匹と推定。

2014-01-30 ★

板橋区による抜き打ちの調査が行われようとするが、現地にいたボランティアがせせらぎが荒らされる事を危惧して調査をやめるようお願いする。たまたま通りがかったある政党の区会議員2名の説得によって調査は中止される。
この騒ぎのなか、板橋区の管理職と接触した女性ボランティア1名が全治1週間の怪我を負う。
同日夕方、元館長に対し課内異動が発令され、館長職を解かれる。
更に、元館長に対し「三日以内に立ち退くように」と業務命令が出される。
業務委託されていた『むし企画』に対し、板橋区から電話にて2月1日にて契約解除すると通告。内容証明付き郵便にて契約解除通知が発送される。(元の契約期間は2014年3月31日までであった)

2014-02-01

「むし企画」との契約が解除され、新たに「(株)自然教育研究センター」への契約がスタート。

2014-02-03

元館長が退職願を提出。

2014-02-07

業務命令により、元館長が新しい委託先である(株)自然教育研究センターに業務を引き継ぎ。
都政新報新聞に掲載 『ホタル館、委託業者変更/年度半ば 館長には異動発令』

2014-02-15

高島平新聞に掲載 『高島平の「ホタル」どうなる?』

2014-02-17

東京新聞夕刊に掲載 『ホタル館 灯消える? 板橋区廃止へ動く』
市民団体が再提出した陳情第100号「板橋区ホタル生態環境館の技術の継承と館の存続を求める陳情」受理。

2014-02-19

板橋区議会区民環境委員会で「ホタル生態環境館におけるホタル等生息調査の結果」が報告される。

http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_oshirase/059/059497.html
板橋区ホタル生態環境館におけるホタル等生息調査の結果について
公開日:平成26年2月20日

http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_oshirase/059/attached/attach_59497_1.pdf
板橋区ホタル生態環境館におけるホタル等生息調査報告書
平成 26 年 1 月 (株)自然教育研究センター

2014-02-20

東京新聞に掲載 『ホタル館問題「成虫持ち込み証言も」飼育担当「有り得ぬ」』

2014-03-24

板橋区懲戒分限審査委員会開催。

2014-03-28

元館長に対する懲戒免職処分発表。
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/060/attached/attach_60886_1.pdf


2014-05-12

何年も続いてきたホタル夜間特別公開の中止を板橋区が発表。

2014-05-14

板橋区が「板橋区ホタル生態環境館のあり方検討結果」を公表。

2014-06-05

元館長が板橋区による処分の取り消しを求めて東京地裁に提訴。



2014-07-11

板橋区は1月の生息数調査でホタルの幼虫数を23匹と推定していたが、実際には110匹以上の幼虫が確認された。
産経新聞に掲載 『板橋区、生息数少ないと閉館 ホタル館で110匹確認 東京』



以上



紫垣伸也さんのホタル生態環境館訪問記

板橋区で政治家駆動をされている紫垣伸也さんという方がおられます。


その紫垣さんが、2014年9月14日(日)にホタル生態環境館を見学されたとのことで、感想がFacebookに投稿されていました。以下に埋め込みの形で引用させていただきます。去年までは産卵数は100万個に近かったと言われていますが、今年はずっと少なくなったようです。それでも数百匹の幼虫が育っていて良かったですね。




以上


URLの由来

このブログのURLは、 http://tale-of-genji-and-heike.blogspot.jp/ にしました。
日本の有名な古典である源氏物語と平家物語の英語名を真似て、「源氏と平家の物語」にしたつもりです(笑)。


覚えやすくなったでしょうか・・・(笑)

以上

ホタル生態環境館に関する説明会での出来事

Nスタで取り上げられたホタル生態環境館の廃止問題」の記事で取り上げた「ホタル生態環境館に関する説明会」は、2014年7月31日18時30分から高島平区民館で板橋区によって開催されました。以下の都政新報の記事は住民が区の廃止決定に猛反発したことを伝えています。


さて、 この説明会には、「「板橋区 ホタルの闇(11)」について」で取り上げた記事を書いた松崎いたる区議も出席されていました。出席していた人から話を聞いたのですが、松崎いたる区議は以下のような行動を取られたそうです。区議としては問題だと思ったので、書き留めておく次第です。

  1. 参加者からの質疑の時間に、松崎区議が参加者の一人として質問を行った。
    ⇒ 区会議員の質問を禁ずるルールがある訳ではないでしょうが、区議会や区の環境委員会で豊富に質問のチャンスを持つ区議が、市民への説明の場で質問をして、市民の質問時間を削っても良いのかという疑問を感じます。
  2. 松崎区議はビデオカメラで市民(参加者)の方にレンズを向けて撮影し始めた。参加者の一人がその姿を写真に撮りに行ったところ、松崎区議は参加者を撮るのを止め、行政の方にレンズの向きを変えた。
    ⇒ 参加者からの異論を封殺しようという意図を感じる話でした。こういった行為は行政に対する批判を封じる危険性があり、良くないことだと思います。この撮影映像がどうなったのか、非常に気になります。

以上

2014年9月14日日曜日

「板橋区 ホタルの闇(11)」について

板橋区の松崎いたる区議が「Nスタで取り上げられたホタル生態環境館の廃止問題」で取り上げたのと同じ番組についてブログ記事を書いておられます。
板橋区 ホタルの闇(11) 崩れだした虚構 : 板橋区のいたる所にいたるがいたよ~松崎いたるの日々雑感
http://itall.exblog.jp/21099148/
この記事について、納得できない点があるので、いくつかコメントさせていただきます。

まず第一に、この番組内容で最も重要なポイントは、板橋区行政の進め方に対する問題指摘だと思います。20年以上にわたって見学者を楽しませてきたホタルの数が2万匹から23匹に減ったとされ、その原因について十分な説明もなく、廃止の結論だけが先行して進んでいるという状況は問題だと思います。

去年までたくさんのホタルがいて、1万人以上の見学者が自分の目で見ているのに、なぜ急にホタルがいなくなってしまったのか、誰でも疑問に思うでしょう。ところが、原因について十分な説明はなく、納得できない人が多くいるままで、それでも板橋区は「廃止」という結論だけは出す・・・この強引なやり方は批判されて当然だと思います。区会議員には行政のやり方を厳しくチェックする役割を期待するので、まず、この行政のやり方をどう思っているのかを書いて欲しいと思います。

次に、この暴露に対する評価についての疑問です。以下、「>」は松崎区議のブログの文章からの引用です。
>「上司の指示」でウソをついたという阿部氏の「暴露」も信じることはできません。
>指示をした上司とはだれか? 直近の課長か? その上の部長か? それとも区長がじかに阿部氏に指示をしたのか? 秘密を守る見返りはなんだったのか?ーー阿部氏は指示されたときの状況を何ひとつ説明していません。
告発する相手に反論の機会を与えていないテレビ番組で、相手の名前を出すのはむしろ問題でしょう。番組スタッフに対して阿部博士が詳しい事情を語ったかどうか分かりませんが、テレビ番組として、その名前を隠すのは妥当だと思います。むしろ、本件については、区会議員が行政に調査を依頼して明らかにすれば良いのではないかと思います。
>そもそも、予算にもかかわる「ウソの報告」は、明らかになれば即刻懲戒免職にもなりうる重大な不正行為です。
>しかも生息数のグラフを見れば一目瞭然ですが、20万匹という数字は突出しており、こんな不自然な数字を出して、誰も疑わないほうが不思議です。
ご指摘の通り、板橋区から報告された以下のグラフを見れば極端な数の増減の理由を確かめたくなります。
しかし、現実には、1994年度から実に20年の間、この不自然な数字は問題になってきませんでした。「誰も疑わないほうが不思議」なのですが、実際にはこの不思議は追求されなかったのです。誰も疑わなかったのは何故なのか、今後のためにも真摯に追求した方が良いと思います。
>これを上司が指示したとすれば、かなりのリスクです。部課長が、これほどの大きなリスクを負ってまで、阿部氏に指示をしたとは到底思えません。
発生から20年後の今日まで秘密は暴かれませんでした。今回、阿部博士が懲戒免職になり、その無効を主張して裁判で争っている状況が背景にあって、はじめて暴露が行われたのだと思います。もし、この懲戒事件が起っていなければ、永遠に秘密のままに終わってしまったのでは? リスクをリスクと感じない土壌が板橋区行政の中にあったのではありませんか? それを正して行くのは、今後の行政健全化のためにとても大事だと思います。
>阿部氏の告白はこのうち1995年(平成7年)の「20万匹」について、「ウソ」として否定したわけですが、20万匹がウソとなれば、1993(平成5)年の「66,346匹」も、最近の「年間約2万匹前後」も、真実の生息数として信用できる根拠は何もないことになります。
阿部博士の「20万匹はウソ」という証言は信用するが、「2万匹いた」という証言は信用できない、というのは、たいへん恣意的な証言の取捨選択に思えます。もし、ホタル成虫の数を確かめたいのであれば、数の証言だけに頼るのではなく、どのような方法でホタル成虫を数えてきたか、そしてその記録に矛盾や不審な点はないか、を確認すべきだと思います。

私がホタル生態環境館のボランティアの人に伺った話では、ホタル成虫数の確認は、ホタルが羽化する季節に、毎晩毎晩、闇夜に目を凝らして、上陸してくるホタル幼虫の僅かな光を数えるのだそうです。気の遠くなるような、根気のいる作業です。このような方法で数を数えていたのだとすると、毎晩のカウント数が業務日誌なりの資料に記されているのではないでしょうか。過去の履歴を振り返るのであれば、この数の記録が確からしさの根拠となると思います。

実を言うと、私は、この20万匹詐称事件の真相糾明は難しいと思います。余りにも長い期間が経ち過ぎているからです。ウソをつくように命じた上司がいたとしても、今更、処罰するのが適当とは思えません。重要なのは、区のトップがこの事件を反省して、「どのような理由にせよ、事実の数字を偽るような事は決してあってはならない。事実は事実として公正明大に報告すべきだ」というメッセージを区議会なり記者会見なりの公の席で発する事です。「予算獲得のためにはウソの数字を作って良い」等という土壌があっては、決して良い行政はできないと思うからです。

以上

2014年9月8日月曜日

ホタル生態環境館での「飼育」とは

板橋区ホタル生態環境館ってどんな所なのか? 新高島平駅から歩いて5分〜10分くらいでしょうか。小学校の脇の道を進んでいくと、古びた感じの平屋の建物とガラスハウスが見えます。ここが板橋区ホタル生態環境館です。

このガラスハウスの中に、ホタルの棲むせせらぎが流れています。人工的に作られたものですが、できるだけ自然の状態に近づけるように工夫されています。板橋区のホームページに載った「ホタル生態環境館のご案内」というページには以下のようなせせらぎの写真が載っています。植物が繁茂しているので夏の時期の写真でしょうか。


今はホタル生態環境館のホームページが廃止されてしまったようなのですが、昔のホームページには以下のような写真が載っていました。夜、ゲンジボタルが発光しながら飛んでいる様子を撮影したものでしょう。幻想的な光景です。


以下のような記事も載っていました。大事なことが書いてあります。
当施設ではホタルの数を無理矢理増やしているのではなく、あくまでも生態を重視し、ほぼ自然の状態にしている事で、ホタルの永年発生を得ております。
 これがホタル生態環境館の思想でした。


昆虫を含む小動物の「飼育」と言うと、プラケースのような飼育箱を用意して、毎日餌をやり、時々水を替えたり排泄物を掃除する…という行為を思い浮かべます。いわゆる「バット飼育」です。おそらく、ホタルを「飼育」している人や業者の多くも同じように考えているでしょう。

しかし、ホタル生態環境館で行われていたのは、こういう「飼育」とは全く異なる営みでした。そこでは、ひたすら、ホタルに適した自然環境を再現し、維持するために多くの努力が傾注されていました。

餌を与えたりしません。餌となるカワニナは一緒に棲んでいました。排泄物の掃除もしません。排泄物はせせらぎにいる微生物や小さな生き物が始末していました。いわゆる「飼育」は行われていませんでした。その代わりに、頻繁に水質を検査し、おかしな所があれば濾材を調整して清浄さを保ち、適切な温度・湿度を保つために通気口を開閉し、霧吹き散水するといった、生態環境を保つためのたいへんな努力が続けられていました。

ホタルは「飼育」されていたのではなく、そこに棲んでいたのです。「ホタル生態環境館」とは秀逸な命名です。ホタルを飼育していたのではなく、ホタルが棲むのに適した生態環境を整えていた施設だったからです。

できるだけ自然を模倣する。そして、ほんの少しだけホタルに有利なように手を加える。例えば、カメムシやヒルなどの天敵の駆除や、水温のコントロールを行う。これによって、ホタルの生育率は自然界より少し高くなっていたでしょう。この成果が毎夏の約2万匹のホタルの羽化だったのです。

飼育ではなく、生態環境の構築と維持。私はこれこそがホタル生態環境館の本質だったと思います。

以上


2014年9月7日日曜日

Nスタで取り上げられたホタル生態環境館の廃止問題

2014年9月5日(金)夕方のテレビ番組「Nスタ」(TBS)でホタル生態環境館の問題が取り上げられました。Twitterで菅野政治氏がツイートされているように、これまで2万匹のホタル成虫がいて、訪れる人々に愛されてきたホタル生態環境感が、板橋区の調査によって「推定23匹のホタルしかいない」という結果を出され、その謎に対する説明は十分でないまま廃止の結論だけが先行しているという問題に焦点を当てたものでした。


ホタル生態環境館は、知る人ぞ知る人気の施設で、特に毎夏6日間にわたって開催されていた夜間特別公開には多くの人が訪れていました。以下の動画を見ると来場者が感動している様子が良く分かります。また、2013年の来場者がTwitterで語った感想はここにまとめてあります。


大きな問題となっている板橋区の「あり方検討結果」の資料の中に入館者数の推移が示されています。下図を見ると、ここ10年以上、毎年3万人を超える人達が訪れていたのがわかります。

図1 ホタル生態環境館の入館者数の推移
(平成25年度は12月末現在の値)

さて、この番組の中では、元館長の阿部宣男博士から新たな爆弾発言がありました。板橋区議の中妻じょうた氏のツイートからその画面を引用させていただきます(下図)。


その告発部分をだいたい書き起こしてみました。不正確なところがあったらご指摘いただければと思います(赤字は引用者がつけました)。
質問者:(区はホタルを)持ちこんでいたんじゃないかと言っているが?
元館長:アハハ。あのね、今ホタルさんはどこに行ったら採れるんでしょうか。逆に。
ナレーター:外部からの持ち込みという疑惑をきっぱりと否定した元館長。毎年およそ2万匹をしっかりと飼育してきたのに、今年1月の区のずさんな調査によって幼虫が死んでしまったのだと主張しました。
ナレーター:しかし、ピーク時には20万匹いたという報告について、元館長は・・
元館長:20万匹というのはウソです。当時、板橋区として「数を拡大して言え」というのがあったんです
ナレーター:20万匹というのは上司の指示による予算獲得のためのウソの報告だったというのです。
元館長:あの施設で20万飛ぶわけはないだろうという部分は実はある。ただもう記録に残っちゃってるので、私はだから言わない。今日までひと言も誰にも言ったことがなかった。今回初めて自分は暴露した。
ホタル生態環境館のホタルは卵から成虫になるまで、館内のガラスハウスの中にある「せせらぎ」で生活していました。ホタルが棲んでいたのです。
そのせせらぎで毎年羽化する成虫は約2万匹と発表されてきました。しかし、上の画面にあるように1994~1995年度あたりだけは、20万匹に迫る勢いで、私自身もなぜこの時点だけ成虫数が10倍も多かったのか不思議に思ってきました。

その謎が解けました。元館長の発言が真実だとすれば、板橋区行政の上司が予算獲得のために成虫数を水増しして報告しろと指示していた事になります。行政の不正です。今後の板橋区・区議会で、真相が追及され、指示したと言われる上司やそれを看過してきた行政組織の責任が明らかにされるのを期待したいと思います。

以上