2016年1月31日日曜日

区会議員という公職者が特定書籍の宣伝を無償提供するのは公職選挙法に触れないのか?

公職選挙法によって議員などの公職者による寄附は禁止されています。


ここで言う「寄附」の中には役務(いわゆるサービス)の無償提供も含まれています。以下に瑞浪市の説明を引用します(赤字は引用者による)。

寄附とは、「金銭、物品その他の財産上の利益の供与またはその約束で、党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のもの」をいいます。一般的な常識よりも、広い範囲にわたるものが「寄附」とされます。有体・無体を問わないため、物品の無償貸与や役務の無償提供なども含まれます。また、名義が別の方になっていても、実際寄附を行ったものが公職の候補者等である場合は禁止です。

さて、松崎いたる区議は、左巻健男著「ニセ科学を見抜くセンス」の出版記念講演会でゲストとして講演しています。(赤字は引用者による)


■□■市民社会フォーラム第161回学習会@東京■□■
     左巻健男さん出版記念講演会
     『ニセ科学を見抜くセンス』
 ニセ科学は商売として蔓延しているのみならず、教育はじめ政治家や行政にも繋がって影響力を広げようとしています。
 今回は、『ニセ科学を見抜くセンス』(新日本出版社)、『水の常識ウソホント77 』(平凡新書)を出版される左巻健男さんに、ニセ科学の特徴とその問題点、撃退方法についてご講演いただきます。
 またゲストに松崎いたる板橋区議をお招きし、「ナノ銀で放射能除染」というニセ科学が行政を巻き込んでいる事例を報告いただきます
更に、松崎いたる区議は、Twitterにて、昨年夏頃から「ニセ科学を見抜くセンス」という書名を含むツイートを8件以上しています。更に、リツイートまで合わせると「ニセ科学を見抜くセンス」という書名を含む投稿は実に200件以上になります(数えてみました)。

これは、宣伝という「役務」を無償提供していることにはならないのでしょうか? Twitterでは、松崎いたる区議からは、特に理由を示すことなく「なるわけないでしょ。」という返答をいただきましたが、納得はできません。



では、松崎いたる区議は、なぜ「ニセ科学を見抜くセンス」に拘るのでしょうか? おそらく、その序文を自身の名誉毀損裁判で証拠として使ったからだと思います。

2015年11月2日に提出された松崎いたる被告側の準備書面には以下のように記載されており、「ニセ科学を見抜くセンス」の中で「ナノ銀除染」がニセ科学の一つとして挙げられていることを、ナノ銀除染がニセ科学であることの証拠としています。


証拠として提出された序文には、以下にように「ナノ銀除染」がニセ科学の一つとして紹介されています。
ところが、奇妙なことに、この本を買って見てみると、本文には「ナノ銀除染」をニセ科学だと判断した論証はありません。それどころか、本文では「ナノ銀除染」に一切言及していないのです。論証せずにニセ科学と決めつけるという行為は、まさしく「ニセ科学」のように思えますが、ニセ科学批判の本ですから、きっとこれが真正科学の方法なのでしょう。納得はできませんが。

以上

写真: ホタル夜間特別招待日(2010年)

Facebookの阿部宣男博士の投稿をシェアします。
板橋区ホタル生態環境館では、毎年、ホタルが光る時期に夜間公開を行っており、1万人以上の見学者が訪れていました。多くの人を迎えるため、ボランティアの人たちが公開を手伝っていました。この時には、能登町ふれあい公社からクロマルハナバチの飼育研修で来ていた職員の方々が手伝ってくれていたそうです。

2010年6月26日、20:05:58板橋区ホタル生態環境館高齢者及びお身体の不自由な方のホタル夜間特別招待日の内せせらぎ。右側に白い筋は来館者様の流れです。シャッタースピードを長く開けているとこうなります。招待日はゲンジボタルさ...
Posted by 阿部 宣男 on 2016年1月30日

以上

写真: ゲンジボタルの卵

Flickrに投稿された阿部宣男博士によるゲンジボタルの卵の写真です。
接写で見ると、卵の表面に模様のようなものが見えます。この卵も弱いながら発光するそうです。

2008 産み付けられたばかりのゲンジボタルの卵02

2002 ゲンジボタルの卵03

1997 ゲンジ卵1

以上

2016年1月24日日曜日

日本原子力研究開発機構が除染技術の普及妨害で提訴されていた

松崎いたる区議の以下のツイートで示された「しんぶん赤旗」の記事から、日本原子力研究開発機構(原研)が訴えられていることを知りました。松崎いたる区議は、原告側の除染技術を疑う意図だったようですが、この裁判では「除染技術潰し」を疑わせる原研の異常な振る舞いが問われている点が非常に重要だと思います。

この訴訟は、2012年7月12日に、水処理プラントメーカー「ネイチャーズ」(東京)の松村栄治・前社長が、日本原子力研究開発機構機構を相手に、6000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めて東京地裁に起こしたものです。原告側の主張概要は原告側弁護団を務める代々木総合法律事務所のニュースの中に紹介されています。


松村前社長は、ネイチャーズ社が持っている「モルクラスターオゾン水」という技術をセシウム除染に適用する案を考え、「平成23年度内閣府除染技術実証試験事業」に応募し、採択されました。これはネイチャーズ社の以下のページに出ています。


ところが、本来、中立に技術を見極めるべき原研の技術責任者が、以下のような妨害行為を行ったために、最終的に、この技術は除染に用いられることなく、松村前社長が解任されるという事態に展開したそうです。
  1. 新技術の最終段階の実証試験を中止させる。
  2. データをねつ造し、「新技術は高圧水洗浄と同程度の除染効果しかなく、コストが高い」という不当に低い評価を公表する。
  3. ネイチャーズの役員に働きかけて前社長を代表者から解任させる。
上記の情報だけでは良く分からなかったので、検索してみた所、提訴した時の記者会見の模様を記録した動画がYouTubeで公開されていました。これらの動画の中では、原研の技術責任者として福島技術本部企画調整部の白鳥芳武次長が名指しで批判されています。とりわけ、「➀提訴した理由(本人)」で説明されているように、当時社長であった松村氏には隠れて、白鳥氏が他の役員に対して松村氏を批判する文書を送っていたという指摘には驚きました。

それぞれ10数分ある動画ですが、原研が行ったとされる行為の異常さに慄然としながら全部見てしまいました。経緯がたいへん良く分かりますので、どうぞご覧ください。







以上

2016年1月22日金曜日

写真: ゲンジボタルの10万個の卵発光

阿部宣男博士のFlickr写真からゲンジボタルの卵10万個が発光する様子です。ホタルは成虫だけでなく幼虫も発光するのですが、卵も発光するのですね。

ゲンジボタルの10万個の卵発光01 1999

以上

写真: ヘイケボタルの群舞

阿部宣男博士のFlickr写真からヘイケボタルの群舞。ヘイケボタルはゲンジボタルに比べると「チカチカ」とせわしなく明滅するそうです。

ヘイケボタル1

ヘイケボタル2

以上

2016年1月18日月曜日

原研によるナノ銀放射線低減実験報告書の問題点(2)

原研によるナノ銀放射線低減実験報告書の問題点」という記事で、名誉毀損訴訟において松崎いたる区議が証拠として提出した原研(日本原子力研究開発機構)の実験報告書に余りにも不審な問題点があることを指摘しました。

前回の指摘の対象は、東京都市大学で実施された「追加試験」に関するものでしたが、実は、この「追加試験」には、もっと大きな問題があります。「追加試験」の報告書の冒頭には以下のような文章があり、あたかも、阿部宣男博士の側が追加試験を要請し、また、その結果の報告書を受領したかのように見えます。ところが、阿部宣男博士も、共同研究者の岩崎信博士も、この「追加試験」が実施されたことを全く知らなかったのです。


-----以下、テキストに起こしました(赤字は引用者による)
平成24年6月1日
板橋区ホタル生態環境館 阿部宣男 殿
東京都市大字 岡田往子

ナノ銀利用除染資材による放射能低減効果について (追加試験)

前回試験では、ナノ銀による効果を低下させる恐れのあるゼオライトが混入していた汚染土壌を使用していたとのことでした。そのため、今回はゼオライト混入のない汚染土壌を使用することとして依頼されていました。また、ナノ銀効果を高めるため、担持濃度の割合高い(150ppm)パウダー状の除染資材を使用することとして依頼されました。

東京都市大学にて高純度ゲルマニウム検出器を用いたy線測定装置で放射能測定を行った結果、汚染土壌へのナノ純銀パウダー混入の有無に限らず、土壌に含まれるセシウムの低減効果は認められませんでした。また、繰り返し測定においても同様の結果で した。

以上
----テキスト起こし終了

この件については、松崎いたる区議が公開した原告側の準備書面の中に以下のように記載されています。
http://www.i-foe.org/h26wa29256/suitor/junbi20160108.pdf



-----以下、テキストに起こしました(赤字は引用者による)

 イ 「(2) 検証試験の実施」について
 ①に記されているとおり、第1回目の検証試験が実施されたことは認める。第2回目の検証試験については不知。原告はこの2回目の検証試験の実施を知らされていなかった。また原告が「ゼオライトが混入していたと指摘」したとの事実は否認する

----テキスト起こし終了

つまり、原告側(阿部宣男博士)は、ゼオライト混入の指摘もしていないし、そもそも「追加試験」が実施されたこと自体を知らされていなかったと言っているのです。

私は、原告側の主張の方が真実だと思います。なぜなら、もし、仮に阿部宣男博士らが「追加試験」の報告書を受け取っていたら、前回指摘したような問題点に気付いて、何らかのアクションを原研に対して取っていた筈で、それが原研にも記録として残っていただろうからです。何も記録がないという事は、報告書を送達しなかったのでしょう。

このように考えると、「追加試験」について、原研側があたかも原告からの指摘を受けて実施し、原告に報告したと見せているのは、真っ赤なウソ、ということになります。原研という公的な機関がウソをついたのだとすれば大問題です。日本共産党には、この原研側の問題を追及して欲しいものですね。

以上


2016年1月17日日曜日

写真: ホタルの交尾と産卵~プラケースの中の光跡

ホタル生態環境館では、産卵専用のプラケースを用意してホタルを産卵させていたそうです。ホタルがハイゴケの上に産卵している様子が分かる素晴らしい写真です。







以上

写真: ホタルの群舞

阿部宣男博士が今まで撮り貯めたホタルの写真をFlickrで公開し始めました。たいへん美しく、また、珍しい写真が多数公開されていますので、是非、ご覧ください。






以上

2016年1月11日月曜日

原研によるナノ銀放射線低減実験報告書の問題点

松崎いたる区議がブログの中で、原研(日本原子力研究開発機構)がナノ銀の放射線低減効果実験について書いたレポートを根拠の一つとして取り上げていたのに驚きました。このレポートの内容については、実験結果以前にたいへん疑問があり、信頼性に欠けるものだと考えているためです。



このレポート自体は、松崎いたる区議が名誉毀損で訴えられた裁判の証拠資料として松崎いたる区議側が提出し、以下のようにインターネット上で公開しています。




この乙第18号証に示されたナノ純銀による放射性物質低減に係る測定試験の報告書(全12ページ)について、記載内容の信頼性を疑わせる重大問題だと考える点を以下に述べます。特に9ページ以降に記された追加試験(5月23日と6月1日に実施)の記述が対象です。

まず、11ページには追加試験について以下のように記載されています(乙第18号証から引用)。
○追加試験の経緯
4月16日依頼者(ホタル館)、大学面談 (JAEA同席)時に、依頼者側より次の申し出があった。前回試験に使用した6試料は均一な土壌であるとして、除染資材施用前のバックグランド測定は実施していなかった。しかし、少なからずとも差があると考えられるため、「d.未処理の汚染土壌」を2つに分け、一方に新たに除染資材を施用して測定することにより試料の不均一性を検討するためのデータを取得する。 
○測定試料
前回試験では、ナノ銀による効果を低下させる恐れのあるゼオライトが混入していた汚染土壌を使用していた。そのため、今回はゼオライト混入のない汚染土壌を使用することとした。
以下に問題を列挙します。 この追加試験で使われた試料はどこから来たのか、問題としていたゼオライト混入はあったのか無かったのか、試料の不均一性はどのように検討されたのか、短い記述の中に大きな矛盾があります。


問題1: 既にホタル館に回収された筈の「d.未処理の汚染土壌」の使用

追加試験に使用したと主張される「d.未処理の汚染土壌」は、前回試験で作成された試料の一つを指している。しかし、前回試験の報告(8ページ)には以下のように記載されており、試料はホタル館に回収された筈である
(2)測定試料の回収・移送(場所:東京都市大学(川崎市or世田谷) ⇒ ホタル館)
タクシー(JAEA and/or ホタル館長阿部氏)
この記載に従えば、追加試験を実施した時に、試験を行った東京都市大学に「d.未処理の汚染土壌」は存在していない。前回試験の報告と矛盾しており、追加試験に用いられた試料をどこから持ってきたものなのか理解できない


問題2: 「ゼオライト混入」についての矛盾

11ページに追加試験の試料について以下のように記載されている(再掲:赤字は引用者による)。
前回試験では、ナノ銀による効果を低下させる恐れのあるゼオライトが混入していた汚染土壌を使用していた。そのため、今回はゼオライト混入のない汚染土壌を使用することとした。
追加試験に用いられたとされる「d.未処理の汚染土壌」は前回試験に用いられたものである筈。つまり、「ゼオライトが混入していた」ものである。ところが、「今回はゼオライト混入のない汚染土壌を使用することとした」と述べており、「d.未処理の汚染土壌」は「ゼオライト混入のない」ものとされている。明らかに矛盾した記述であり、この文章の内容を全く理解できない


問題3: 前回試験の置いた前提の否定と不均一性

11ページの文章を再度以下に引用する(赤字は引用者による)。
前回試験に使用した6試料は均一な土壌であるとして、除染資材施用前のバックグランド測定は実施していなかった。しかし、少なからずとも差があると考えられるため、「d.未処理の汚染土壌」を2つに分け、一方に新たに除染資材を施用して測定することにより試料の不均一性を検討するためのデータを取得する
この文章からすると、前回試験は6試料が均一な土壌であるとの前提に基づいて行われたものであると理解できる。ところが、「少なからずとも差があると考えられる」のであれば、その前提が間違っていたことになる。

更に、追加試験では、元々1つの試料だったものを2つに分け、片方にナノ銀を施して測定することにより「不均一性を検討する」としている。しかし、報告書の中に「不均一性」を検討した結果は述べられていない。前回試験の前提の妥当性を検証するためにも重要な検討だった筈だが、いったいどうなったのだろうか?

以上



2016年1月1日金曜日

むし企画が契約解除された理由の不可解な点

2013年度には、板橋区はホタル生態環境館でのホタル飼育業務を「むし企画」に発注していました。ところが、2014年1月27日に抜き打ちでホタル生息数調査を行った直後の1月30日に板橋区はむし企画への契約を解除しました。事前通告無しに、いきなり契約解除したのですから、非常に強い処分だったと言えるでしょう。本件については、むし企画が契約解除を不服として板橋区を訴え、現在も係争中です

この契約解除の理由については、板橋区議会で総務部長が「本契約の履行状況やむし企画の実態に関するむし企画の代表者の話等から、今後、契約履行は不可能と判断し、契約の解除を行った」と説明しています

しかし、これだけでは、具体的に何が悪かったのか良く分からないので、知人が板橋区に解除理由を記した行政文書の開示を求めました。その結果を以下に示します。




以下は上記の文書の2ページ目をテキストに起こしたものです。
-------------------------------------------------------
25板資環第332号  
平成26年1月24日
総務部契約管財課長
七島晴仁様
資源環境部環境課長
井上正三

板契第4250400632号の契約解除について(依頼)

標記の件について、下記のとおり契約解除の手続きを依頼します。


1 契約内容
(1) 件名 ホタル生態環境館ビオトープ (実験水路) 管理及びホタル飼育・水質管理調査業務委託
(2) 契約番号 板契第4250400632号
(3) 契約金額 14,737,640円(免税 うち5%相当額701、792円)
(4) 履行場所 板橋区ホタル生態環境館 (板橋区高島平四丁目21番1号)
(5) 契約期間 平成25年4月1日から平成26年3月31日 (6) 受託者 むし企画 代表  □□ □□

2 契約解除理由
受託者が受託業務を履行できないことが明らかであるため。

3 受託者について認定される事由
(1) 契約を履行しない
当該委託契約は、仕様書に記載された業務を受託者が自ら誠実に実施することを約している。この場合において業務の全部又は一部の第三者への委任を禁じている。 しかし、受託者は当該業務を自身で履行する能力を有しておらず、本区職員の能力や指示がなければ当該業務の履行が不可能であった。

(2) 契約を履行する見込みがない
上記 (1) の事実から受託者は、本区職員がいなければ当該委託契約を履行する ことはできず、将来においても受託者自身の能力によって履行できる見込みが無い と判断する。

4 解除年月日
平成26年2月1日
-------------------------------------------------------

この文書を見て、不可解だと思う点を以下に列挙します(赤字は引用者による)。
以上