2015年1月12日月曜日

飼育業者に対する板橋区の事情聴取に関するパワハラ疑惑

ホタル生態環境館に関する問題の中でたいへん気になっている事件があります。ホタル生息調査の直後まで板橋区からホタルの飼育業務を委託されていた「むし企画」という業者に対するパワハラ疑惑です。むし企画は板橋区から2014年1月30日に電話で契約解除を通告されました(2月1日付けで契約解除)。

この件に関連して、日本共産党の松崎いたる区議は、ご自身のブログに以下のように書いています。引用します。(ちなみに、松崎いたる区議は、元館長から名誉毀損で訴訟を起こされています。その訴状と思われる文書は ここ に公開されています)


以下のように書かれています。
元職員と「むし企画」は、従業員が「痴呆」になり、代表が「精神的な打撃を被」るほど、区側からヒドイ扱いを受けたと訴えているのですが、区側が質問している①②③の内容はどれも委託事業者ならすぐに答えることのできる(答えなければならない)基本的なことばかりです。
かりに「事実に基づかない憶測による質問」があったとしても、事実を知っているものであれば、すぐに回答し、それ以上の問題に発展することはありません。
ここだけを見ると、業務上の事情聴取であって、日常行われる業務管理の一環のように見えます。しかし、2014年4月3日に行われた前館長の懲戒免職処分取り消し訴訟提起の記者会見で配布された資料に記された前後の経緯を見ると、とても「業務上の事情聴取」とは思えないのです。

また、本件については、契約解除の無効と契約解除に至るまでの板橋区管理職の異様な行動と原告の精神的損害への賠償を求めて、むし企画が板橋区を提訴しています。

以下、記者会見資料から私が読み取った範囲で、前後の経緯を合わせて説明してみます。

来年度の契約の話があるので来てほしいと言われたむし企画の代表は、2013年8月26日に板橋区役所に出向きました。ところが、資源環境部の管理職(部長や課長)に聴取されたのは、来年度の契約の話ではなく、現契約の履行に関する問題指摘でした。以下のような事を言われたそうです。
  • そもそも納品しているのか。
  • 委託の費用はどのように使われているのか。
  • 人件費はいくらなのか。人件費と称して他の用途に流れているのではないか。
契約書と違うことが行われていて、頭数も違うし、提出している書類が偽造であるなど、契約不履行で損害賠償ものであるというような発言までされたそうです。これらの聴取内容は、余りに一方的で事実無根であったため、代表は非常に困惑し、精神的にも打撃を受けました。

8月29日にも再び聴取が行われました。この時は、契約の履行内容ではなく、事前説明にはなかった元館長の方へと話題が移りました。代表は以下のように問われたそうです。
  • 阿部から言われて、名義のみの委託契約なのではないか。実質的に動かしているのは阿部であって、全部金も阿部に回っているのではないか?
  • 責任をかぶりますか? 今回の問題を指摘されたときに責任をとれるのか?
そればかりか、課長は、「言葉で言えないのであれば、OKならば頭を下げるように」と指示しながら、頭を下げようとしない代表に対して「OKだね、OKだね」と繰り返したそうです

更に、9月10日には、入院中の代表の携帯電話に課長から連絡が入り、「館長に委託費が渡っているのではないか」と断定的に表現しました。そんな事実はないと代表が言っても、課長は聞き入れず、認めないと責任を取ってもらうと脅迫ともとれる言動を繰り返したそうです。

この後、代表からの依頼を受けて、弁護士が2013年10月13日付けの内容証明郵便による通知書を板橋区役所に送付し、以下を区役所に求めました。
  • 今回の事情聴取の上記のような内容について、それがなぜ行われたのかについて責任ある説明を文書及び面談にて求めるとともに、事実に基づかずに聴取を実施したことそのものに謝罪を求めます。
  • また、部長・課長は、通知人に了解なくレコーダーを使って録音をされておりました。通知人としてはその録音されたデータを渡していただくように求めます。
しかし、区役所からはこの通知に対する誠意ある応答はなく、いわば放置されていたそうです。

その後、2014年1月27日に至るまで代表には何も連絡のないまま、1月27日に突如実施された生息調査の結果を踏まえて、1月30日に代表の携帯電話に契約解除の通知があり、区は同日付けで契約解除の文書を代表に送付しました。解除理由は「受託者が受託業務を履行できないことが明らかであるため」となっていました。1月27日から解除までの間に代表には何の連絡もなかったそうです。

1月27日の調査のあと、驚くべきことに、警視庁第二課がホタル生態環境館の関係者から事情聴取を始めました。最初に聴取されたのは代表で、3月20日に最後(3回目)の事情聴取を受けました。代表以外の方々も対象となりました。

このような事情聴取は、区からの働きかけがなければ始まるはずもなく、根拠らしい根拠のないままに警察が動く事態を「異常としか映りません」と資料には書かれています。なお、代表への聴取にて供述調書は一切作成されずに終了しているとのことです。

すでに提訴されている案件なので、今後の推移を見守りたいと思いますが、上記のような発注元管理職による業者の「詰問」が本当にあったとしたら、パワハラ(パワーハラスメント)の疑いがあると私は思います。板橋区は裁判と並行して、真相を糾明し、再発防止策を立てるべきではないでしょうか。

また、この資料を見ておられる筈の松崎いたる区議が、引用した部分のみを取り上げて、区側の対応に問題は無かったと主張されている点に違和感を覚えます。

以上

2 件のコメント:

  1. 松崎区議が書いている内容で大きく間違っていることを指摘します。
    「従業員が痴呆になり」と書いていますが、むし企画前代表が認知症になって、現代表に代わった筈ですが???
    松崎議員が、どこで憶測に基づいた情報を入手しているのか気になります。関係者しか知りえない情報を。

    関係者である私だからこそ言えるのですが!これが、今回の事件の異常さです。
    ホタル生態環境館に関係していた多くの人々、そして関係していた多くの区役所職員が本当のことを話し始めたら、区長の謝罪だけでは済みませんよ。関係している管理職や特別職まで巻き込んで、首が飛ぶことになります。すでに法廷に持ち込まれていることでもあり、心当たりある皆さんは、首を洗って待っていてほうがいいです。

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  2. この松崎いたる、共産党議員なら労働組合を通して一般職員を守るところですが、何故区役所の味方をしているのかわかりました。簡単に言えば、区役所の管理職に借りがあるからです。日本共産党松崎いたるは市民の味方、区民からのお願い事である保育園入園の口利きをいっぱいやっています。そして依頼する相手というのが、保育サービス課長だった井上正三。この井上は現在ホタル生態環境館問題の中心人物である資源環境部環境課長です。議会議事録や井上を取材した報道記事を見ると、松崎の発言する内容と時期が一致して情報源が井上だと特定できます。「議員は行政の管理職に世話になっている」口利きの代償は、こんなにも大きいのです。

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