2016年1月18日月曜日

原研によるナノ銀放射線低減実験報告書の問題点(2)

原研によるナノ銀放射線低減実験報告書の問題点」という記事で、名誉毀損訴訟において松崎いたる区議が証拠として提出した原研(日本原子力研究開発機構)の実験報告書に余りにも不審な問題点があることを指摘しました。

前回の指摘の対象は、東京都市大学で実施された「追加試験」に関するものでしたが、実は、この「追加試験」には、もっと大きな問題があります。「追加試験」の報告書の冒頭には以下のような文章があり、あたかも、阿部宣男博士の側が追加試験を要請し、また、その結果の報告書を受領したかのように見えます。ところが、阿部宣男博士も、共同研究者の岩崎信博士も、この「追加試験」が実施されたことを全く知らなかったのです。


-----以下、テキストに起こしました(赤字は引用者による)
平成24年6月1日
板橋区ホタル生態環境館 阿部宣男 殿
東京都市大字 岡田往子

ナノ銀利用除染資材による放射能低減効果について (追加試験)

前回試験では、ナノ銀による効果を低下させる恐れのあるゼオライトが混入していた汚染土壌を使用していたとのことでした。そのため、今回はゼオライト混入のない汚染土壌を使用することとして依頼されていました。また、ナノ銀効果を高めるため、担持濃度の割合高い(150ppm)パウダー状の除染資材を使用することとして依頼されました。

東京都市大学にて高純度ゲルマニウム検出器を用いたy線測定装置で放射能測定を行った結果、汚染土壌へのナノ純銀パウダー混入の有無に限らず、土壌に含まれるセシウムの低減効果は認められませんでした。また、繰り返し測定においても同様の結果で した。

以上
----テキスト起こし終了

この件については、松崎いたる区議が公開した原告側の準備書面の中に以下のように記載されています。
http://www.i-foe.org/h26wa29256/suitor/junbi20160108.pdf



-----以下、テキストに起こしました(赤字は引用者による)

 イ 「(2) 検証試験の実施」について
 ①に記されているとおり、第1回目の検証試験が実施されたことは認める。第2回目の検証試験については不知。原告はこの2回目の検証試験の実施を知らされていなかった。また原告が「ゼオライトが混入していたと指摘」したとの事実は否認する

----テキスト起こし終了

つまり、原告側(阿部宣男博士)は、ゼオライト混入の指摘もしていないし、そもそも「追加試験」が実施されたこと自体を知らされていなかったと言っているのです。

私は、原告側の主張の方が真実だと思います。なぜなら、もし、仮に阿部宣男博士らが「追加試験」の報告書を受け取っていたら、前回指摘したような問題点に気付いて、何らかのアクションを原研に対して取っていた筈で、それが原研にも記録として残っていただろうからです。何も記録がないという事は、報告書を送達しなかったのでしょう。

このように考えると、「追加試験」について、原研側があたかも原告からの指摘を受けて実施し、原告に報告したと見せているのは、真っ赤なウソ、ということになります。原研という公的な機関がウソをついたのだとすれば大問題です。日本共産党には、この原研側の問題を追及して欲しいものですね。

以上


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