2014年12月8日月曜日

板橋区のホタル生息調査の結果は間違っていた

年末に向かって、仕事も私事も忙しくなってきましたが、できる範囲でホタル生態環境館に関する事件に対しての私の見解を書いて行きたいと思います。

一連の事件の中で最も重要なのは、平成26年1月27日(月)に板橋区によって実施された「板橋区ホタル生態環境館におけるホタル等生息調査」でしょう。(以下、文中では「ホタル生息調査」と略します)

ホタル生息調査には多くの問題があり、私は、調査の設計も実施方法も結果も間違っていたと考えています。板橋区は一刻も早く、この調査結果を撤回すべきだと思います。今回は、まず、結果が間違っていた点について述べます。もし、私の考えに誤りがあるようでしたら、是非、コメント欄などでご指摘いただきたいと思います。

ホタル生息調査の概要は以下のページに公開されています。

板橋区ホタル生態環境館におけるホタル等生息調査の結果について | 板橋区
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_oshirase/059/059497.html

また、報告書は以下に公開されています。
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_oshirase/059/attached/attach_59497_1.pdf

調査結果がまとめられた表を以下に引用します。この調査で発見されたゲンジボタルの幼虫は2匹、ヘイケボタルの幼虫は0匹だったのです。推定個体数は、調査した面積と全体の面積の比率を使って、全体の個体数を推測した数です。



さて、このように、「ホタルの幼虫は殆どいなかった」という結果が得られたのですが、実は、この調査の後、羽化した幼虫の数を数えた結果が公開されており、そこで報告された羽化数はずっと多かったのです。この羽化数のデータは、以下のページからリンクされている「平成26年8月19日までの羽化記録」で見ることができます。


この羽化数のデータを以下に示します。これを見ると、
せせらぎでの羽化数は、ゲンジボタル:60匹、ヘイケボタル:53匹
ビオトープでの羽化数は、ゲンジボタル:2匹、ヘイケボタル:74匹
となっています。

以前にも書いたとおり、時間が経つにつれて、ホタルの幼虫数は少なくなっていきます。羽化を記録した6月~7月は、ホタル生息調査を行った1月末から約半年も経っているので、1月末にはおそらく羽化数の何倍かの幼虫が生息していたでしょう。

単純に明らかなのは、ホタル生息調査の結果は間違っていた、という事です。後の羽化数を大きく下回るホタル幼虫しか発見できませんでした。ヘイケボタルの幼虫は0匹と報告されていたのです。それが夏になって100匹以上見つかったのですから、間違っていたとしか言いようが無いと思います。

しかし、その後の「板橋区ホタル生態環境館のあり方検討」では、ホタル生息調査で出された数値(その後間違っていたと判明した数値)がそのまま用いられ、ホタル館を廃止するという結論を導いています。前提とする事実認識が間違っていると分かったのですから、検討結果を見直す必要があったのではないでしょうか。

以上

2 件のコメント:

  1. 11月27日の板橋区議会定例会において、公明党のしば議員が以下の通り、質問に入る前に発言しています。

    環境課は、今年1月末に実態調査をした結果、23匹のホタルがいることを発表しました。その後、確認されたホタルがどんどん増えている事がわかりました。振り返って言える事は、詳細について述べませんが、この調査は失敗だったという事です。夏まで待ち、飛んでいるホタル数える方法が一番正確性があったと言えます。命が相手の調査ということを肝に銘じて慎重に行動をし、区民から誤解を受けない、区民が理解できるような行動をとっていただきたいことを要望し、以下の質問をいたします。(以下略)

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  2. しば議員の発言はここまでしか触れていなく残念です。このようなことが原因で、委託業者が契約解除されたり、担当職員が処分されている事に触れていないこと、またこのようなことの責任について触れていないことです。

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