2015年6月7日日曜日

データ分析: 自然教育研究センターのせせらぎ溶存酸素量(DO)測定2

2014年2月からホタル生態環境館の管理業務を行っていた自然教育研究センターの管理日誌から、せせらぎの溶存酸素量(DO)のデータを拾ってみます。ホタル幼虫の生育には水中に十分な酸素が溶け込んでいる必要があると言われており、従来のホタル生態環境館では、できるだけ飽和溶存酸素量に近いレベルを保つようにしていたそうです。

前回は測定回数を調べました。今回は、DOの測定値について調べてみました。

溶存酸素量(DO)は、水中に溶存する酸素の量を示します。DOには上限値があって、それを「飽和溶存酸素量」と呼びます。Wikipediaによると、「飽和溶存酸素量は気圧、水温、溶存塩類濃度などによって変化する」とのことで、蒸留水、一気圧下における各温度の飽和溶存酸素の一覧が載っています

管理日誌に記録されているせせらぎの水温、DO値などの計測値に飽和DOとDO率を付け加えたのが下表です。(管理日誌からDOを計測したデータのみを抽出した)

飽和DO: Wikipediaにあった蒸留水、一気圧下における各温度の飽和溶存酸素量一覧から
DO率: 測定されたDOと飽和DOの比率

日付時刻気温水温pHDO飽和DODO率
2014-04-0111:3918.712.58.1513.610.31131.9%
2014-04-0809:3623.813.18.0910.010.1798.3%
2014-04-1509:2023.713.38.0111.410.13112.5%
2014-04-1915:0715.112.98.2110.210.2299.8%
2014-04-2010:4512.113.68.039.910.0698.4%
2014-04-2214:5318.113.08.129.110.2089.2%
2014-04-2614:2025.113.88.059.710.0296.8%
2014-04-2916:3518.413.28.098.210.1580.8%
2014-05-0611:3813.013.38.129.210.1390.8%
2014-05-1314:5024.315.07.387.59.7676.8%
2014-05-2014:1526.217.87.969.09.2297.6%
2014-05-2715:4724.617.38.209.69.31103.1%
2014-06-0314:4025.818.58.039.59.10104.4%
2014-06-1015:0822.517.38.278.99.3195.6%
2014-06-1713:1522.818.78.216.69.0672.8%
2014-06-2413:1023.118.37.697.19.1377.8%
2014-07-0116:4022.418.17.486.99.1775.2%
2014-07-0815:3028.319.47.277.18.9479.4%
2014-07-1514:1324.820.67.886.98.7578.9%
2014-07-2214:0526.319.77.686.08.8967.5%
2014-07-2914:2029.119.88.047.78.8886.7%
2014-08-0514:0724.221.47.886.88.6278.9%
2014-08-1211:4227.322.77.555.98.4469.9%
2014-08-2209:1526.123.87.716.48.2977.2%
2014-08-2611:5025.823.87.416.08.2972.4%
2014-09-0213:4526.524.67.746.68.1880.7%
2014-09-0913:1027.023.87.927.28.2986.9%
2014-09-1616:5024.324.27.837.68.2392.3%
2014-09-2313:0725.821.87.926.48.5674.8%
2014-09-3015:0025.322.37.847.48.4987.2%

上記のデータから、DO測定について以下のような疑問があります。

  • 飽和溶存酸素量を越えるDOを測定したケースが4回ある。(DO率が100%を越えているケースで、上の表の黄色のセル)
    特に、4月の測定では132%、113%と10%以上も上回っており、測定環境条件の差と見るには大きすぎる。
    このような異常値に対して、管理日誌に何らのコメントも記載されていない。これで正常な管理と言えるのだろうか?
  • DO率が80%を下回るケースが12回もある。うち2回は70%を下回っている。(上の表のピンク色のセル)
    DO率の低さは水質悪化の危険性を示しているが、これについても管理日誌に何らのコメントも記載されていない。これで正常な管理と言えるのだろうか?

以上

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