2014年9月14日日曜日

「板橋区 ホタルの闇(11)」について

板橋区の松崎いたる区議が「Nスタで取り上げられたホタル生態環境館の廃止問題」で取り上げたのと同じ番組についてブログ記事を書いておられます。
板橋区 ホタルの闇(11) 崩れだした虚構 : 板橋区のいたる所にいたるがいたよ~松崎いたるの日々雑感
http://itall.exblog.jp/21099148/
この記事について、納得できない点があるので、いくつかコメントさせていただきます。

まず第一に、この番組内容で最も重要なポイントは、板橋区行政の進め方に対する問題指摘だと思います。20年以上にわたって見学者を楽しませてきたホタルの数が2万匹から23匹に減ったとされ、その原因について十分な説明もなく、廃止の結論だけが先行して進んでいるという状況は問題だと思います。

去年までたくさんのホタルがいて、1万人以上の見学者が自分の目で見ているのに、なぜ急にホタルがいなくなってしまったのか、誰でも疑問に思うでしょう。ところが、原因について十分な説明はなく、納得できない人が多くいるままで、それでも板橋区は「廃止」という結論だけは出す・・・この強引なやり方は批判されて当然だと思います。区会議員には行政のやり方を厳しくチェックする役割を期待するので、まず、この行政のやり方をどう思っているのかを書いて欲しいと思います。

次に、この暴露に対する評価についての疑問です。以下、「>」は松崎区議のブログの文章からの引用です。
>「上司の指示」でウソをついたという阿部氏の「暴露」も信じることはできません。
>指示をした上司とはだれか? 直近の課長か? その上の部長か? それとも区長がじかに阿部氏に指示をしたのか? 秘密を守る見返りはなんだったのか?ーー阿部氏は指示されたときの状況を何ひとつ説明していません。
告発する相手に反論の機会を与えていないテレビ番組で、相手の名前を出すのはむしろ問題でしょう。番組スタッフに対して阿部博士が詳しい事情を語ったかどうか分かりませんが、テレビ番組として、その名前を隠すのは妥当だと思います。むしろ、本件については、区会議員が行政に調査を依頼して明らかにすれば良いのではないかと思います。
>そもそも、予算にもかかわる「ウソの報告」は、明らかになれば即刻懲戒免職にもなりうる重大な不正行為です。
>しかも生息数のグラフを見れば一目瞭然ですが、20万匹という数字は突出しており、こんな不自然な数字を出して、誰も疑わないほうが不思議です。
ご指摘の通り、板橋区から報告された以下のグラフを見れば極端な数の増減の理由を確かめたくなります。
しかし、現実には、1994年度から実に20年の間、この不自然な数字は問題になってきませんでした。「誰も疑わないほうが不思議」なのですが、実際にはこの不思議は追求されなかったのです。誰も疑わなかったのは何故なのか、今後のためにも真摯に追求した方が良いと思います。
>これを上司が指示したとすれば、かなりのリスクです。部課長が、これほどの大きなリスクを負ってまで、阿部氏に指示をしたとは到底思えません。
発生から20年後の今日まで秘密は暴かれませんでした。今回、阿部博士が懲戒免職になり、その無効を主張して裁判で争っている状況が背景にあって、はじめて暴露が行われたのだと思います。もし、この懲戒事件が起っていなければ、永遠に秘密のままに終わってしまったのでは? リスクをリスクと感じない土壌が板橋区行政の中にあったのではありませんか? それを正して行くのは、今後の行政健全化のためにとても大事だと思います。
>阿部氏の告白はこのうち1995年(平成7年)の「20万匹」について、「ウソ」として否定したわけですが、20万匹がウソとなれば、1993(平成5)年の「66,346匹」も、最近の「年間約2万匹前後」も、真実の生息数として信用できる根拠は何もないことになります。
阿部博士の「20万匹はウソ」という証言は信用するが、「2万匹いた」という証言は信用できない、というのは、たいへん恣意的な証言の取捨選択に思えます。もし、ホタル成虫の数を確かめたいのであれば、数の証言だけに頼るのではなく、どのような方法でホタル成虫を数えてきたか、そしてその記録に矛盾や不審な点はないか、を確認すべきだと思います。

私がホタル生態環境館のボランティアの人に伺った話では、ホタル成虫数の確認は、ホタルが羽化する季節に、毎晩毎晩、闇夜に目を凝らして、上陸してくるホタル幼虫の僅かな光を数えるのだそうです。気の遠くなるような、根気のいる作業です。このような方法で数を数えていたのだとすると、毎晩のカウント数が業務日誌なりの資料に記されているのではないでしょうか。過去の履歴を振り返るのであれば、この数の記録が確からしさの根拠となると思います。

実を言うと、私は、この20万匹詐称事件の真相糾明は難しいと思います。余りにも長い期間が経ち過ぎているからです。ウソをつくように命じた上司がいたとしても、今更、処罰するのが適当とは思えません。重要なのは、区のトップがこの事件を反省して、「どのような理由にせよ、事実の数字を偽るような事は決してあってはならない。事実は事実として公正明大に報告すべきだ」というメッセージを区議会なり記者会見なりの公の席で発する事です。「予算獲得のためにはウソの数字を作って良い」等という土壌があっては、決して良い行政はできないと思うからです。

以上

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