今後もホタルの生息数は大きなポイントとなるので、少し整理しておきたいと思います。
まず、ホタルの数は、どの時期のホタルを数えるかで大きく変わります。
ホタルは、幼虫の間に5~6回の脱皮をし、蛹を経て成虫へと羽化します。成長するに従い、体は大きくなりますが、弱い個体は死んで数はどんどん少なくなって行きます。そのため、卵の時が最も数が多く、成虫の時が最も数が少ないのです。
1匹のメスの産卵数は、ゲンジボタルで500~1000個、ヘイケボタルで50~100個と言われています。また、成虫のメスとオスの比率は1:3程度らしいです。そのため、数だけでみると、ゲンジボタルの場合、平均750個を産卵すると仮定して4匹の成虫(メス1+オス3)が750個の卵になります。ヘイケボタルの場合、平均75個を産卵すると仮定して4匹が75個の卵になります。
繰り返し同じ数のホタルが育ち、死んでいくサイクルが繰り返されていると仮定すると、卵から成虫に育つ率はそれぞれ以下のようになります。
- ゲンジボタル: 750個の卵 ⇒ 4匹の成虫が育つ(約0.5%)
- ヘイケボタル: 75個の卵 ⇒ 4匹の成虫が育つ(約5%)
いやはや、たいへんな競争率です。ちなみに、卵から孵化した直後の幼虫は体長約1mmで、沢山いてもたいした量にはならないそうです。以下にルシオラ社のサイトにあった孵化幼虫の写真を引用させていただきます。
さて、ホタル生態環境館にいた2万匹の成虫のゲンジボタル/ヘイケボタルの内訳はうろ覚えですが、ゲンジボタルの方がかなり数が少ないそうなので、以下だと考えてみます。
- ゲンジボタル: 4,000匹の成虫 ⇒ 75万個の卵
- ヘイケボタル: 16,000匹の成虫 ⇒ 30万個の卵
これだと、合計で約105万個の卵が産まれていた事になります。上記の計算には色々と不確かな仮定が入っているために、細かい計算は違っているかもしれませんが、大雑把には上記のような数の減少を辿ると考えています。
つまり、100万個から2万匹へ、数としては約50分の1に減少しながら育って行くのです。人間で言うと、小学校のクラスにいた50人くらいのうち、1人しか成人できない計算になります。なんと厳しい淘汰でしょうか。
以上
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